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Drama

翳りゆく夏

ドラマ『翳りゆく夏』(2015年・WOWOW制作)は、赤井三尋の江戸川乱歩賞受賞作を原作とした全5話のサスペンスドラマです。主演は渡部篤郎。以下にネタバレを含めて詳しくご紹介します。🕵️‍♂️ あらすじ(ネタバレあり)事件の発端1995年、横須賀の啓陽会病院で新生児誘拐事件が発生。犯人は病院長・大槻貞利に1億円の身代金を要求。身代金を受け取った犯人グループの九十九昭夫と愛人・春木佐智子は逃走中に事故死。誘拐された赤ちゃん・夏雄の行方は不明のまま。20年後の再調査東西新聞社の社長・杉野は、かつての敏腕記者・梶秀和(渡部篤郎)に事件の再調査を命じる。きっかけは、誘拐犯の娘・朝倉比呂子(門脇麦)が新聞社に入社内定したこと。梶は元刑事・井上の備忘録をもとに、事件の真相を追う。🔍 真相とどんでん返し調査の過程で、病院の証券マン・堀江(滝藤賢一)が身代金脅迫の首謀者だったことが判明。しかし、誘拐そのものは別の人物によるものだった。実は、武藤誠一(時任三郎)の妻・香織(鶴田真由)が、自分の子を誤って死なせてしまい、病院から赤ちゃんを誘拐していた。誘拐された赤ちゃん・夏雄は、武藤夫妻の子として育てられ...
Drama

検事の本懐

🕵️‍♂️ 物語の核心と展開1. 贈収賄事件の捜査米崎地検の検事・佐方貞人(上川隆也)は、東京地検特捜部の応援として、同僚の庄司真生(松下由樹)と共に派遣される。特捜部では、大物代議士・大河内定和(寺田農)と財団理事・増元敬清(六平直政)による贈収賄事件を捜査中。重要参考人の園部勝也が自殺し、捜査は行き詰まる。佐方は、逃亡した経理責任者・葛巻利幸(手塚とおる)を追うが、特捜部の主任検事・輪泉琢也(正名僕蔵)からは冷遇される。2. 真実への突破口佐方は葛巻の従兄・岩舘啓二の事情聴取を通じて、葛巻の居場所を突き止める。岩舘の母の死に目に立ち会わせるという人道的な配慮をしたことで、岩舘は協力を約束。葛巻は出頭し、現金3000万円を運んだと証言するが、佐方はその証言に違和感を覚える。3. 証言の裏と真犯人実際には、現金を運んだのは園部であり、葛巻は増元から偽証を指示されていた。園部が残したICレコーダーの音声が決定的証拠となり、大河内と増元は逮捕される。🧩 佐方の父・陽世の事件の真相佐方の父・陽世(中原丈雄)は、29年前に建設会社の遺産5000万円を横領した罪で逮捕され、黙秘を貫いたまま実刑判...
Drama

検事の死命

ドラマスペシャル『検事の死命』は、柚月裕子の「佐方貞人シリーズ」第2作にして、主人公・佐方貞人の検事時代を描いた“エピソード0”とも言える作品です。以下にネタバレを含めて詳しくご紹介します。🕵️‍♂️ あらすじと事件の概要舞台:米崎地方検察庁主人公:佐方貞人(上川隆也)事件:名門女子高の教師・本多弘敏(津田寛治)が、満員電車内で女子高生・仁藤玲奈(竹富聖花)に痴漢行為をしたとして逮捕される。本多は容疑を否認し、「でっち上げだ」と主張。さらに、玲奈から「30万円払えば許す」と恐喝されたと証言。玲奈は「恐喝なんてしていない」と反論するが、どこか投げやりな態度を見せる。🔍 真相への追及佐方と事務官・増田陽子(志田未来)は、両者の証言が食い違う中で慎重に捜査を進める。本多は地元の名家に婿入りしており、義母・本多篤子(江波杏子)は地元経済界の大物。篤子は衆議院議員・大河内定和(寺田農)に働きかけ、佐方に不起訴の圧力をかける。上司・筒井義雄(伊武雅刀)も「敵を回せば検察社会で生きていけない」と佐方を説得しようとする。しかし佐方は「ここで屈したら検事として死んだも同然」と考え、起訴に踏み切る。⚖️ ...
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検事・左方 ~裁きを望む~

ドラマスペシャル『検事・佐方 ~裁きを望む~』は、柚月裕子の「佐方貞人シリーズ」を原作とした作品で、2019年12月にテレビ朝日で放送されました。以下にネタバレを含めて詳しくご紹介します。🕵️‍♂️ あらすじ(ネタバレあり)事件の発端米崎地検の検事・佐方貞人(上川隆也)は、空き巣事件の公判を担当。被告人は芳賀渉(渡辺大)。彼は大手不動産会社「GOKO ESTATE」の前社長・郷古勝一郎(津嘉山正種)の通夜の晩に郷古家へ侵入し、高級腕時計を盗んだとされる。現場には指紋、防犯カメラ映像、本人の自白など有罪を示す証拠が揃っていた。法廷での逆転芳賀は法廷で突然「俺はやっていない」「腕時計は父から譲り受けたものだ」と主張。実は芳賀は郷古の婚外子であり、父から認知されたかったという思いがあった。佐方は「彼は自ら裁きを望んでいる」と感じ、補充捜査を開始。🧩 真相と動機遺言書のすり替え郷古の遺言書には芳賀を認知する内容が記されていたが、郷古家に保管されていた遺言書にはその記述がなかった。芳賀は家宅侵入時に遺言書をすり替えたと推測されるが、「一事不再理」の原則により再起訴はできない。時計の真実佐方は時計...
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マスカレード・ナイト

『マスカレード・ナイト』(集英社文庫)は、東野圭吾による「マスカレード」シリーズ第2作で、『マスカレード・ホテル』の続編にあたる長編ミステリーです。🏨 作品概要著者:東野圭吾舞台:ホテル・コルテシア東京主人公:新田浩介(警視庁捜査一課刑事)、山岸尚美(ホテルのコンシェルジュ)テーマ:仮面舞踏会、潜入捜査、連続殺人、匿名通報🧩 あらすじ(ネタバレあり)序盤:密告と殺人練馬区のマンションで若い女性・和泉春菜が感電死体で発見される。彼女は妊娠しており、部屋にはロリータ服が残されていたが、本人はボーイッシュな服装を好んでいた。警察は、彼女にロリータ趣味を強要していた男が犯人と推定。その後、警視庁に匿名通報が届く。「犯人はホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる」という内容だった。中盤:潜入捜査と仮面舞踏会新田浩介は再びホテルマンとして潜入。尚美はコンシェルジュとして勤務しており、二人は再会する。ホテルでは年末の仮面舞踏会「マスカレード・ナイト」が開催予定で、客も従業員も仮装するため、犯人の特定が困難。ホテルには奇妙な要求をする客が続々と現れ、誰が犯人なのか分からないまま時間が過...
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マスカレード・ホテル

『マスカレード・ホテル』(集英社文庫)は、東野圭吾による長編ミステリーで、「仮面=マスカレード」をテーマにした人気シリーズの第1作です。🏨 物語の概要舞台:一流ホテル「コルテシア東京」主人公:新田浩介(警視庁捜査一課の刑事)、山岸尚美(ホテルのフロントクラーク)事件:都内で発生した3件の連続殺人。現場に残された暗号から、次の犯行場所がこのホテルだと判明。🧩 あらすじと展開(ネタバレあり)潜入捜査の開始警察は次の殺人がホテル・コルテシア東京で起こると予測し、刑事たちをホテルスタッフとして潜入させる。新田浩介はフロント係として配属され、尚美が教育係となる。価値観の違いから衝突しつつも、次第に信頼関係を築いていく。怪しげな宿泊客たちホテルには様々な“仮面”を被った客が現れる:片桐瑶子:視覚障害者を装うが、実は目が見える。夫のために下見に来ていた。安野絵里子:結婚式を控えた女性。ストーカー被害に遭っている。栗原健治:新田に執拗なクレームを入れる男。館林光弘:スイートルームに泊まる謎の男。渡辺紀之と高山佳子:結婚式を控えたカップル。佳子は過去の事件と関係がある。真相への接近新田は暗号の意味を尚美...
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マスカレード・イブ

『マスカレード・イブ』(集英社文庫)は、東野圭吾による「マスカレード」シリーズ第2作で、前作『マスカレード・ホテル』の前日譚にあたる短編集です。📚 収録作品一覧とネタバレ解説① それぞれの仮面主人公:山岸尚美(ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク)大学時代の元恋人・宮原隆司が宿泊客として現れ、不倫相手・西村美枝子の失踪を尚美に相談。尚美はホテル内を調査し、美枝子がまだホテルにいると推理。宮原は実は美枝子の恋人ではなく、元プロ野球選手・大山将弘のマネージャーであり、大山の不倫を隠すために身代わりになっていた。美枝子(本名:横田園子)は大山と別れ、別の男性と結婚を考えていた。尚美は園子の仮面を守りつつ、真実を見抜いて対応する。テーマ:人間関係の仮面、不倫と偽装、ホテルマンの矜持② ルーキー登場主人公:新田浩介(警視庁捜査一課の新人刑事)実業家・田所昇一がホワイトデーの夜に殺害される。妻・美千代は料理教室を開いており、教室の生徒・横森仁志が犯人として浮上。実は美千代が横森を巧みに操り、夫を殺させたという真相。新田はその裏の動機と偽装を見抜き、事件を解決。テーマ:操られた犯人、表と裏の顔、...
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ネメシスの使者

『ネメシスの使者』(文春文庫)は、中山七里による社会派ミステリーで、司法制度と死刑制度をテーマにした重厚な作品です。📘 基本情報著者:中山七里シリーズ:渡瀬警部シリーズ(『テミスの剣』の続編的位置づけ)ジャンル:社会派ミステリー、警察小説、サスペンス🧩 あらすじ(ネタバレあり)第1の事件:熊谷の殺人埼玉県熊谷市で戸野原貴美子が殺害される。現場には「ネメシス(義憤の女神)」という血文字が残されていた。貴美子の息子・亮一は10年前に女性2人を殺害し、無期懲役判決を受けていた。被害者遺族の復讐か、司法制度への挑戦か――捜査が始まる。第2の事件:連続性の発覚続いて、別の殺人事件が発生。いずれも「死刑を免れた加害者の家族」が標的となっており、ネメシスは「司法が裁ききれなかった罪」を代行しているかのように見える。捜査の混迷渡瀬警部と古手川刑事は、過去の判決に関わった裁判官や弁護士もターゲットになる可能性を考慮するが、容疑者は絞りきれない。岬検事とも連携しながら捜査を進めるが、手がかりは乏しい。急展開:ネメシス逮捕第3の事件が起こる前に、ネメシスが逮捕される。だが、渡瀬は「出来すぎた逮捕劇」に違和感...
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悪徳の輪舞曲

『悪徳の輪舞曲』(講談社文庫・中山七里)は、悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズの第4作で、彼の過去と家族に深く切り込む重厚な法廷ミステリーです。🧠 あらすじ(ネタバレ込み)🔪 母の殺人容疑御子柴礼司のもとに、30年ぶりに妹・梓が現れる。目的は、母・郁美の弁護依頼。郁美は再婚した資産家の夫・成沢拓馬を首吊り自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されていた。郁美は容疑を否認するが、他の弁護士は「死体配達人」の母親という理由で依頼を拒否。御子柴は報酬1000万円を条件に弁護を引き受ける。🧬 遺伝する犯罪性?御子柴は、郁美の過去を調べる中で、29年前に自殺した父・園部謙造の死にも疑惑があることを知る。郁美は、父も偽装自殺で殺害したのではないかと疑われる。この二重の殺人疑惑に対し、御子柴は「犯罪気質は遺伝するのか?」という問いに直面する。自らが14歳で殺人を犯した過去と、母の現在の容疑が重なり、彼の心は揺れ動く。🧩 真相とどんでん返し裁判では、検察側が郁美の過去の転居歴や周囲からの迫害、保険金目的の動機などを提示。御子柴は冷静に反証を重ねるが、郁美の過去の言動や証拠が不利に働く。しかし、ラストで明かされ...
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