卒業

『卒業』(講談社文庫)は、東野圭吾による加賀恭一郎シリーズの第1作で、加賀がまだ大学生だった頃の事件を描いた青春ミステリーです。


🎓 作品概要

  • 著者:東野圭吾
  • シリーズ:加賀恭一郎シリーズ第1作
  • 舞台:国立T大学、学生寮「白鷺荘」
  • ジャンル:青春×本格ミステリー

🧩 あらすじ(ネタバレあり)

第1の事件:祥子の死

  • 加賀恭一郎は大学4年生。仲間7人と卒業を控えた日々を過ごしていた。
  • ある日、グループの一人・牧村祥子が自室で左手首を切って死亡。密室状態で自殺と見られる。
  • しかし祥子の日記が4日前から止まっており、違和感が残る。

第2の事件:波香の死

  • 祥子の死後、グループは茶道の恩師・南沢雅子の誕生日会に集まる。
  • その場で「雪月花之式」という茶道のゲームを行うが、波香が突然痙攣し死亡。死因は青酸中毒。
  • 波香が飲んだ茶を点てたのは沙都子だったが、加賀は彼女の無実を信じる。

加賀の推理

  • 波香は剣道の大会で不自然な敗北をしており、八百長を疑っていた。
  • 彼女は自分に薬を盛った人物を探していた可能性がある。
  • 加賀は「雪月花之式」で特定の札を引かせるトリックがあったと推理。父・隆正の助言で、形状記憶合金を使った鍵の細工に気づく。

真犯人の正体

  • 加賀はピエロの人形を使って藤堂正彦をおびき出す。
  • 白鷺荘で藤堂を待ち伏せし、彼が現れたことで犯人と確信。
  • 祥子の部屋の鍵は形状記憶合金で細工されており、藤堂が密室を偽装していた。
  • 波香はその事実に気づき、藤堂を追及しようとして殺された。

🔍 登場人物

名前役割
加賀恭一郎主人公。大学生。後の刑事。
牧村祥子第1の被害者。密室で死亡。
金井波香第2の被害者。青酸中毒死。
相原沙都子加賀の友人。波香の茶を点てた。
藤堂正彦加賀の友人。真犯人。
南沢雅子茶道の恩師。雪月花之式を提案。

🎭 作品の特徴とテーマ

  • 青春と死:卒業を控えた若者たちの希望と喪失。
  • 密室トリック:形状記憶合金を使った本格的な密室殺人。
  • 心理描写:友情、嫉妬、罪の意識が丁寧に描かれる。
  • シリーズの原点:加賀の人間性と推理力が垣間見える初期作。