『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』(講談社文庫)は、中山七里による「御子柴礼司」シリーズの第1作で、かつて猟奇殺人を犯した少年が弁護士となり、過去と向き合いながら事件に挑む法廷ミステリーです。
⚖️ 作品概要
- 著者:中山七里
- シリーズ:御子柴礼司シリーズ第1作
- ジャンル:法廷ミステリー/心理サスペンス
- 主人公:御子柴礼司(悪辣弁護士)
🧩 あらすじ(ネタバレあり)
冒頭:死体遺棄から始まる衝撃
物語は、弁護士・御子柴礼司がフリーライター・加賀谷竜次の死体を遺棄する場面から始まる。加賀谷は保険金殺人事件を追っていた記者で、御子柴の過去を知り、強請っていた。
御子柴には事件当時、法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があり、殺人犯ではないとされる。
保険金殺人事件の真相
事件の中心は、工場経営者・東條彰一の死亡。事故で意識不明となった彼の人工呼吸器が停止され、妻・美津子が殺人容疑で逮捕される。
- 彰一には3億円の保険がかけられていた。
- 殺害時、病室には美津子と障害を持つ息子・幹也しかいなかった。
- 美津子の指紋が機器に残っていたため、彼女が起訴される。
御子柴はこの事件の弁護を引き受ける。
御子柴の過去と動機
御子柴はかつて「死体配達人」と呼ばれた猟奇殺人犯・園部信一郎。14歳で幼女バラバラ殺人を犯し、少年院に送致された過去を持つ。
少年院での教官・稲見との交流を通じて「贖罪とは他人のために生きること」と学び、弁護士を志す。
加賀谷殺害の真犯人
加賀谷を殺したのは、東條彰一の息子・幹也。彼は障害を持つが、実は犯行可能な身体能力を持っていた。御子柴は幹也に呼び出され、死体処理を依頼される。
幹也の母・美津子は、息子に罪をかぶせようと画策していた。裏で糸を引いていたのは彼女だった。
結末:贖罪の意味
御子柴は事件の真相を暴き、美津子の罪を明らかにする。彼自身も刺されるが、命を取り留める。
物語は、御子柴が「贖罪」を続ける決意を新たにする場面で幕を閉じる。
👤 登場人物
名前 | 役割 |
---|---|
御子柴礼司 | 主人公。元殺人犯→弁護士。 |
加賀谷竜次 | 強請屋の記者。殺害される。 |
東條美津子 | 保険金殺人の被告。 |
東條幹也 | 美津子の息子。真犯人。 |
渡瀬&古手川 | 埼玉県警の刑事コンビ。 |
🎭 作品の特徴とテーマ
- 贖罪と正義:過去の罪を背負いながら、他人のために生きる姿勢。
- どんでん返し:真犯人の意外性と母の策略。
- 法廷ドラマ:弁護士としての論理戦と心理戦。
- シリーズの起点:以降の『追憶の夜想曲』『恩讐の鎮魂曲』などに続く。