ドラマスペシャル『検事・佐方 ~裁きを望む~』は、柚月裕子の「佐方貞人シリーズ」を原作とした作品で、2019年12月にテレビ朝日で放送されました。以下にネタバレを含めて詳しくご紹介します。
🕵️♂️ あらすじ(ネタバレあり)
事件の発端
- 米崎地検の検事・佐方貞人(上川隆也)は、空き巣事件の公判を担当。
- 被告人は芳賀渉(渡辺大)。彼は大手不動産会社「GOKO ESTATE」の前社長・郷古勝一郎(津嘉山正種)の通夜の晩に郷古家へ侵入し、高級腕時計を盗んだとされる。
- 現場には指紋、防犯カメラ映像、本人の自白など有罪を示す証拠が揃っていた。
法廷での逆転
- 芳賀は法廷で突然「俺はやっていない」「腕時計は父から譲り受けたものだ」と主張。
- 実は芳賀は郷古の婚外子であり、父から認知されたかったという思いがあった。
- 佐方は「彼は自ら裁きを望んでいる」と感じ、補充捜査を開始。
🧩 真相と動機
遺言書のすり替え
- 郷古の遺言書には芳賀を認知する内容が記されていたが、郷古家に保管されていた遺言書にはその記述がなかった。
- 芳賀は家宅侵入時に遺言書をすり替えたと推測されるが、「一事不再理」の原則により再起訴はできない。
時計の真実
- 佐方は時計店の記録やホテルの証言から、腕時計が生前に芳賀へ譲渡されたことを突き止める。
- 芳賀は時計をメンテナンスに出していたため、事件当日に郷古家で目撃されるはずがなかった。
⚖️ 結末と裁き
- 芳賀は窃盗罪については無罪となり、住居侵入罪のみで罰金10万円の判決。
- 佐方は「罪はまっとうに裁かれなければならない」と語り、検事としての信念を貫く。
- しかし、芳賀の真意を見抜けなかった責任を感じ、佐方は辞職を申し出る。
🎭 主な登場人物
役名 | キャスト | 備考 |
---|---|---|
佐方貞人 | 上川隆也 | 主人公。信念を貫く検事。 |
芳賀渉 | 渡辺大 | 婚外子。裁きを望んで自ら罪を演出。 |
郷古勝一郎 | 津嘉山正種 | 不動産会社元社長。芳賀の父。 |
庄司真生 | 松下由樹 | 米崎地検のエース検事。 |
小田薫 | 水崎綾女 | 佐方の事務官。 |
芳賀明美 | 石野真子 | 芳賀渉の母。 |
吉田高子 | 山下容莉枝 | 郷古家の家政婦。 |
この作品は、法の限界と人間の感情が交錯する重厚な法廷ドラマであり、「正義とは何か」「裁きとは何か」を深く問いかける内容となっています。