『マスカレード・ナイト』(集英社文庫)は、東野圭吾による「マスカレード」シリーズ第2作で、『マスカレード・ホテル』の続編にあたる長編ミステリーです。
🏨 作品概要
- 著者:東野圭吾
- 舞台:ホテル・コルテシア東京
- 主人公:新田浩介(警視庁捜査一課刑事)、山岸尚美(ホテルのコンシェルジュ)
- テーマ:仮面舞踏会、潜入捜査、連続殺人、匿名通報
🧩 あらすじ(ネタバレあり)
序盤:密告と殺人
練馬区のマンションで若い女性・和泉春菜が感電死体で発見される。彼女は妊娠しており、部屋にはロリータ服が残されていたが、本人はボーイッシュな服装を好んでいた。警察は、彼女にロリータ趣味を強要していた男が犯人と推定。
その後、警視庁に匿名通報が届く。「犯人はホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる」という内容だった。
中盤:潜入捜査と仮面舞踏会
新田浩介は再びホテルマンとして潜入。尚美はコンシェルジュとして勤務しており、二人は再会する。ホテルでは年末の仮面舞踏会「マスカレード・ナイト」が開催予定で、客も従業員も仮装するため、犯人の特定が困難。
ホテルには奇妙な要求をする客が続々と現れ、誰が犯人なのか分からないまま時間が過ぎていく。
類似事件の発覚
捜査の結果、春菜の事件と似た未解決事件が3年半前にも起きていたことが判明。どちらも睡眠薬を飲まされた後に感電死させられ、部屋にはロリータ服が残されていた。
クライマックス:犯人の正体
犯人は、春菜の元交際相手であり、過去の事件の加害者でもあった田倉真一郎。彼は女性にロリータ趣味を強要し、支配欲を満たしていた。春菜が妊娠したことで関係が破綻し、殺害に至った。
匿名通報者は、田倉の過去を知る人物で、彼を罰するために警察に情報提供していた。
仮面舞踏会の最中、新田と尚美は田倉の行動を監視し、ついに犯行の証拠を掴んで逮捕に至る。
🎭 作品の特徴とテーマ
要素 | 内容 |
---|---|
仮面 | 客も犯人も“仮面”を被っている。正体を隠す舞台装置。 |
ホテルの裏側 | 接客業のリアルと、ホテルマンの矜持が描かれる。 |
社会性 | 性的支配、匿名通報、未解決事件など現代的テーマ。 |
サスペンス | 時間制限のある捜査と、誰が犯人か分からない緊張感。 |
🎬 映像化情報
- 映画化:2021年公開(主演:木村拓哉、長澤まさみ)
- 仮面舞踏会の華やかさと緊迫感が映像で再現されている