ドラマスペシャル『検事の死命』は、柚月裕子の「佐方貞人シリーズ」第2作にして、主人公・佐方貞人の検事時代を描いた“エピソード0”とも言える作品です。以下にネタバレを含めて詳しくご紹介します。
🕵️♂️ あらすじと事件の概要
- 舞台:米崎地方検察庁
- 主人公:佐方貞人(上川隆也)
- 事件:名門女子高の教師・本多弘敏(津田寛治)が、満員電車内で女子高生・仁藤玲奈(竹富聖花)に痴漢行為をしたとして逮捕される。
本多は容疑を否認し、「でっち上げだ」と主張。さらに、玲奈から「30万円払えば許す」と恐喝されたと証言。玲奈は「恐喝なんてしていない」と反論するが、どこか投げやりな態度を見せる。
🔍 真相への追及
佐方と事務官・増田陽子(志田未来)は、両者の証言が食い違う中で慎重に捜査を進める。
- 本多は地元の名家に婿入りしており、義母・本多篤子(江波杏子)は地元経済界の大物。
- 篤子は衆議院議員・大河内定和(寺田農)に働きかけ、佐方に不起訴の圧力をかける。
- 上司・筒井義雄(伊武雅刀)も「敵を回せば検察社会で生きていけない」と佐方を説得しようとする。
しかし佐方は「ここで屈したら検事として死んだも同然」と考え、起訴に踏み切る。
⚖️ 公判と結末(ネタバレ)
- 公判では、玲奈の証言の信憑性が問われるが、佐方は本多の偽証を一つずつ崩していく。
- 本多には過去にも類似の余罪があり、それが明るみに出る。
- 玲奈の過去の補導歴などで信用を失いかけるが、佐方は彼女の真意を見抜き、証言の裏付けを取る。
- 最終的に本多は有罪となり、佐方は「検事の死命」をかけた戦いに勝利する。
🎭 登場人物一覧
役名 | キャスト | 備考 |
---|---|---|
佐方貞人 | 上川隆也 | 主人公。信念を貫く検事。 |
増田陽子 | 志田未来 | 佐方の事務官。玲奈に寄り添う。 |
本多弘敏 | 津田寛治 | 痴漢容疑の教師。名家の婿。 |
仁藤玲奈 | 竹富聖花 | 被害者の女子高生。 |
本多篤子 | 江波杏子 | 弘敏の義母。地元の実力者。 |
筒井義雄 | 伊武雅刀 | 佐方の上司。 |
大河内定和 | 寺田農 | 衆議院議員。圧力をかける。 |
✨ 作品のテーマ
- 「死命」とは、命をかけた覚悟のこと。佐方は検事としての信念を貫くため、社会的圧力に屈せず戦う。
- 冤罪や権力の介入といった現代的な問題を描きながら、正義とは何かを問いかける重厚なドラマです。