★4

スポンサーリンク
Book

赤いべべ着せよ…

『赤いべべ着せよ…』(今邑彩・中公文庫)は、民間伝承と現代の殺人事件が交錯する長編サスペンスです。以下、完全ネタバレを含む詳細な内容を紹介します。🧵物語の背景と導入舞台は「鬼女伝説」が残る地方都市・鬼首町。かつてこの町では、赤い着物を着た女児が古井戸から遺体で発見されるという事件が起きていた。町には「赤いべべ着せよ…」という不気味な言い伝えが残っており、住民の間では鬼女の呪いと恐れられていた。20年後、同じ町で再び赤い着物を着た幼女の遺体が古井戸から発見される。状況は過去の事件と酷似しており、町は再び騒然となる。🧩主な登場人物藤崎滋:元刑事。現在は民俗学者として鬼首町の伝承を調査している。美佐子:滋の元恋人。過去の事件に深く関わっていた。みちる:美佐子の娘。今回の事件の被害者。滋の妻・由紀子:穏やかな性格だが、物語の核心に関わる人物。地元の住民たち:伝承に囚われ、事件を「鬼女の祟り」として語る。🕯️物語の展開(完全ネタバレ)第1章:再び起きた「赤いべべ」の事件鬼首町で幼女・みちるが失踪。古井戸から赤い着物を着た遺体が発見される。警察は過去の事件との関連を疑い、滋に協力を依頼。第2章:過...
Drama

帝銀事件・大量殺人獄中32年の死刑囚

1980年1月26日にテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で放映された実録ドラマ『帝銀事件・大量殺人獄中32年の死刑囚』の内容を、完全ネタバレで詳細にご紹介します。🕵️‍♂️作品概要原作:松本清張『小説帝銀事件』『日本の黒い霧』脚本:新藤兼人監督:森崎東主演:仲谷昇(平沢貞通役)、田中邦衛(古志田警部補)、橋本功(稲佐検事)ほか放送日:1980年1月26日(土曜ワイド劇場)放送時間:21:02〜23:44(単発)🧪事件の発端(1948年1月26日)帝国銀行椎名町支店に、防疫班の腕章をつけた男が現れる。男は「GHQの命令で赤痢の予防薬を飲むように」と行員らに指示。実際には青酸化合物が混入されており、16人中12人が死亡。犯人は現金16万4410円と小切手1万7450円を奪って逃走。🔍捜査の展開捜査本部が設置されるも、物証は乏しい。類似事件が2件(安田銀行荏原支店・三菱銀行中井支店)発覚。そこに残された名刺「厚生技官 医学博士 松井蔚」が手がかりに。名刺の出所を追うと、テンペラ画家・平沢貞通に行き着く。👮‍♂️平沢への疑惑と逮捕古志田警部補(田中邦衛)が執拗に平沢を追う。平沢は過去に詐欺行為を働...
Book

卍の殺人

今邑彩『卍の殺人』 のストーリーを、犯人・動機・トリックまで含めた完全ネタバレの詳細解説です。基本情報著者:今邑彩出版:中公文庫備考:今邑彩のデビュー作で、「館もの」本格ミステリの代表作のひとつ。卍型の館を舞台にした連続殺人。登場人物(主要)荻原亮子:主人公。恋人と共に館を訪れる若い女性。安東匠:亮子の恋人。館の一族の一員で、家との決別を宣言するために戻ってきた。布施宵子:匠の従姉妹。館に住む女性。匠とは犬猿の仲に見えるが、実は…館の住人たち:二つの家族が「卍型の館」の二つの棟に分かれて暮らしている。頂点には老女が君臨し、複雑な人間関係を形成。植村刑事:事件を担当する刑事。あらすじ(完全ネタバレ)序盤亮子は恋人・匠に誘われ、彼の実家である「卍型の館」を訪れる。館は二つの棟が卍形に組み合わさった異形の建築で、そこに二つの家族が住み、互いに微妙な緊張関係を保っていた。匠は「この家と決別する」と宣言するために戻ってきたが、直後から不可解な事件が起こり始める。第一の殺人館の住人の一人が殺される。現場は密室に近い状況で、死体の位置や家具の配置が「卍」を思わせる形になっていた。館の構造が複雑で、誰...
スポンサーリンク
Book

悪意

東野圭吾の『悪意』は、加賀恭一郎シリーズの第4作であり、犯人の「動機」に焦点を当てたホワイダニット型の心理ミステリーです。以下、完全ネタバレありで、できるだけ詳細に解説します。📚 作品概要タイトル:悪意著者:東野圭吾ジャンル:心理ミステリー/ホワイダニットシリーズ:加賀恭一郎シリーズ第4作🧠 主な登場人物登場人物役割・特徴加賀恭一郎元教師で刑事。冷静な観察力と推理力で事件を追う。野々口修元中学校教師で児童文学作家。事件の第一発見者。日高邦彦人気作家。被害者。野々口の幼なじみ。藤尾美弥子日高の作品に抗議していた女性。兄の過去が暴露された。理恵日高の妻。事件当日はホテルに滞在していた。🕯️ あらすじ(詳細・ネタバレ)第1章:殺人事件の発生人気作家・日高邦彦が自宅で殺害される。第一発見者は、幼なじみである野々口修と日高の妻・理恵。死因は、文鎮で殴打された後に絞殺。原稿が完成していたことや玄関の鍵が閉まっていたことから、空き巣ではなく顔見知りの犯行と推測される。第2章:野々口の手記と加賀の疑念野々口は事件の経緯を手記として執筆。だが、加賀はその内容に不自然さを感じる。加賀は野々口のアリバイ(電...
Book

学生街の殺人

『学生街の殺人』(東野圭吾・講談社文庫)は、1987年に刊行された初期の長編ミステリーで、モラトリアム期の若者の心理と連続殺人事件が交錯する作品です。???? あらすじ(ネタバレあり)舞台は、大学の正門が移設されたことで寂れてしまった旧学生街。主人公の津村光平は、大学卒業後も進路が定まらず、学生街のビリヤード場「青木」でアルバイトをしている。ある日、同僚の松木元晴が殺害される。彼は「この街が嫌いだ」と意味深な言葉を残していた。さらに、密室状態で第二の殺人が発生し、事件は複雑化していく。光平は恋人の有村広美やその周囲の人々とともに事件の真相を追うが、やがて彼女自身が重大な秘密を抱えていることが明らかになる。???? 主な登場人物と関係性登場人物役割・特徴津村光平主人公。機械工学科卒。学生街でアルバイト中。有村広美光平の恋人。バー「モルグ」の共同経営者。日野純子「モルグ」のママ。広美の高校時代の友人。松木元晴第一の被害者。実は偽名で、本名は杉本潤也。武宮光平の大学時代の友人。井原良一東和電機の室長。事件の鍵を握る人物。堀江園長保育園「あじさい」の園長。後に殺害される。時田本屋の店主。事件に...
Book

七人の中にいる

『七人の中にいる』(今邑彩・中公文庫)は、1994年に刊行された本格サスペンスミステリーで、密室的状況と過去の犯罪が絡み合う緊迫感のある物語です。???? あらすじ(ネタバレあり)舞台は軽井沢のペンション。オーナーの晶子のもとに届いた一通の脅迫状が物語の発端です。「あなたの罪は許されない。復讐は始まった」この手紙は、21年前に晶子が関与した医者一家殺害事件の生存者からのものと思われます。事件は時効を迎えているものの、晶子はかつての仲間たちをペンションに招待し、真相を探ろうとします。ペンションに集まったのは晶子を含めて7人。その中に、復讐を企てる人物がいるとされ、疑心暗鬼が広がっていきます。???? 登場人物と関係性登場人物役割・特徴晶子ペンションオーナー。21年前の事件の加担者。現在は妊娠中。佐竹元刑事。事件の真相を追う。葛西一行21年前の事件の生存者。復讐者の可能性がある。宿泊客たちかつての事件関係者。誰が復讐者なのか分からない。???? ストーリーの構成と展開物語は二重構造で進行します。ペンション内のサスペンス劇場 晶子の視点で、宿泊客たちの言動から犯人を探る。誰もが怪しく、誰もが...
Cinema

室井慎次 生き続ける者

映画『室井慎次 生き続ける者』(2024年公開)は、「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ作品であり、前作『室井慎次 敗れざる者』の後編にあたります。🎬 基本情報監督:本広克行脚本:君塚良一主演:柳葉敏郎(室井慎次)公開:2024年11月15日シリーズ:「踊る大捜査線」スピンオフ第2弾🧠 あらすじ(ネタバレあり)🏠 秋田での新生活警察を退職した室井慎次は、故郷・秋田で少年たち(タカ、リク)と穏やかな生活を送っていた。そこに現れたのが、かつての猟奇殺人犯・日向真奈美の娘・杏。彼女の登場をきっかけに、室井の平穏な日々が揺らぎ始める。🔥 放火と死体遺棄事件室井の家の車庫が放火され、近くでは他殺体が発見される。防犯カメラの映像から放火犯は杏であることが判明するが、室井は彼女を責めず、むしろ保護しようとする。死体はかつての「レインボーブリッジ封鎖事件」の犯人グループの一人・瀬川吉雄であり、室井は警視庁の桜刑事とともに捜査に協力。電話の声から、犯人は国見昇であると特定され、東京で逮捕される。🧠 洗脳と銃の意味国見は獄中の日向真奈美と手紙のやり取りをしており、彼女の信者として事件を起こした可能性が浮上...
Cinema

ジャッカルの日

映画『ジャッカルの日』(1973年)は、フレデリック・フォーサイスの同名小説を原作とした政治サスペンスの傑作です。🕵️‍♂️ 基本情報監督:フレッド・ジンネマン主演:エドワード・フォックス(ジャッカル)ジャンル:政治サスペンス/暗殺計画/実録風スリラー舞台:1960年代のフランスとヨーロッパ各地🧨 あらすじ(ネタバレあり)【起】ド・ゴール暗殺未遂とOASの再計画アルジェリア独立を認めたド・ゴール大統領に反発する秘密軍事組織OASが暗殺を試みるが失敗。主犯は処刑され、組織は壊滅寸前。残党のロダン大佐らは、フランスで活動歴のないプロの殺し屋を雇う。現れた男は「ジャッカル」と名乗り、報酬50万ドルで暗殺を請け負う。【承】ジャッカルの準備と変装ジャッカルは死者の身分を盗み、偽造パスポートを取得。特殊な狙撃銃(水銀入り炸裂弾)を松葉杖に偽装して製造。偽造屋を脅迫され殺害し、証拠を消す。暗殺地点をパリの広場に定め、変装道具や勲章を準備。【転】フランス当局の捜査と追跡フランス政府はジャッカルの存在を察知し、ルベル警視を捜査責任者に任命。各国の情報機関と連携し、ジャッカルの正体を「チャールズ・カルスロ...
Cinema

クリムゾン・タイド

映画『クリムゾン・タイド』(1995年)は、核戦争の瀬戸際に立たされたアメリカ海軍の原子力潜水艦「USSアラバマ」を舞台に、艦長と副艦長の対立を描く緊迫のミリタリー・スリラーです。⚓ 登場人物キャラクター俳優役割フランク・ラムジー艦長ジーン・ハックマン経験豊富なベテラン艦長。即応主義者。ロン・ハンター副艦長デンゼル・ワシントン冷静で理性的なエリート士官。ウェップス兵器士官ヴィゴ・モーテンセンハンターの親友。板挟みに苦悩。📖 あらすじ(ネタバレ込み)【起】核戦争の危機ロシアで反乱軍が核ミサイル基地を掌握し、アメリカへの攻撃を示唆。潜水艦「アラバマ」は核報復の準備のため出航。艦長ラムジーは即応性を重視し、核攻撃命令に従う姿勢。副艦長ハンターは慎重な判断を求める。【承】命令の断絶アラバマは核ミサイル発射命令(EAM)を受信。発射準備中に通信が途絶え、命令の全文が確認できない。ハンターは命令の再確認を主張し、発射を一時停止。ラムジーは命令遂行を強行しようとし、艦内で対立が激化。【転】艦内クーデターハンターは艦長を解任し、自ら指揮を執る。艦内は事実上の内戦状態に。敵潜水艦との戦闘で魚雷を回避し、...
Cinema

リンカーン弁護士

映画『リンカーン弁護士』(2011年)は、マイクル・コナリーの同名小説を原作とした法廷サスペンスです。⚖️ 主要登場人物ミック・ハラー(マシュー・マコノヒー):リンカーン車を事務所代わりにする刑事弁護士。金にはシビアだが、正義感も持ち合わせている。ルイス・ルーレ(ライアン・フィリップ):裕福な不動産業者の息子。暴行事件の容疑者。フランク・レヴィン(ウィリアム・H・メイシー):ミックの親友で調査員。マギー・マクファーソン(マリサ・トメイ):ミックの元妻で検察官。🧩 あらすじ(ネタバレ込み)【起】依頼人は裕福な青年ミックは暴行容疑で逮捕されたルイスの弁護を引き受ける。ルイスは「罠に嵌められた」と主張し、無罪を訴える。被害者レジーナは娼婦で、ルイスがナイフを持って訪ねてきたと証言。【承】過去の事件との奇妙な一致ミックは以前担当した殺人事件(娼婦ドナ殺害)と今回の事件の類似性に気づく。その事件では無実の可能性があるマルティネスを終身刑に追い込んでいた。ミックはルイスが真犯人ではないかと疑い始める。【転】ルイスの本性と罠ルイスはミックの自宅に現れ、ドナ殺害を認めるが、守秘義務によりミックは告発で...
スポンサーリンク