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復讐の協奏曲

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中山七里『復讐の協奏曲』の詳細なあらすじとネタバレを含む内容解説を以下にまとめます。御子柴礼司シリーズ第5作として、過去と現在、加害と被害、そして復讐の連鎖が重層的に描かれた作品です。


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🧩 物語の構造と背景

◆ 主人公:御子柴礼司

  • 弁護士。かつて14歳のときに少女を殺害し、死体を解体・遺棄した過去を持つ元少年犯罪者「園部信一郎」。
  • 前作『恩讐の鎮魂曲』でその過去が明るみに出て、世間から激しいバッシングを受けている。

◆ 事務所の危機

  • 匿名ブログ〈この国のジャスティス〉の煽動により、御子柴の弁護士資格を剥奪しようとする懲戒請求が800通以上届く。
  • 事務所の事務員・日下部洋子は対応に追われ、精神的にも疲弊していく。

🔪 事件の発生

◆ 知原徹矢の殺害

  • 洋子は、外資系コンサルタントの知原徹矢と会食。
  • 翌朝、知原が自宅で刺殺体となって発見される。
  • 凶器の包丁には洋子の指紋が付着しており、彼女は殺人容疑で逮捕される。

🕵️‍♂️ 御子柴の弁護と調査

◆ 洋子の過去

  • 御子柴は洋子の身辺を調査し、彼女の父がかつて幼女殺害事件の加害者だったことを知る。
  • 洋子は「加害者家族」として社会から差別と偏見を受けてきた。
  • 御子柴自身も加害者であるため、洋子の苦しみに共感し、弁護に全力を尽くす決意を固める。

◆ 知原の裏の顔

  • 知原は、洋子の父が殺害した少女のであり、被害者遺族。
  • 彼は洋子に接近し、父の罪を盾にして精神的に追い詰めるような言動を繰り返していた。
  • 知原の行動は、加害者家族への復讐だった。

⚖️ 裁判と逆転の弁護

◆ 証拠の疑義

  • 凶器の指紋は、洋子が料理中に触れたものであり、殺害時に使った証拠とは言えないと主張。
  • 知原の交友関係を洗うと、彼が他の被害者遺族にも傲慢な態度を取っていたことが判明。

◆ 真犯人の存在

  • 御子柴は、知原に強い恨みを持つ別の被害者遺族がいたことを突き止める。
  • その人物が真犯人であることが明らかになり、洋子は無罪となる。

🎭 結末と余韻

  • 洋子は無罪となるが、自らの過去と向き合うために御子柴の事務所を去る
  • 御子柴は、加害者・加害者家族・被害者遺族それぞれの「復讐」が交錯する現実を目の当たりにし、
    贖罪とは何か、正義とは何かを改めて問い直す。

🎼 タイトル「協奏曲」の意味

  • 「協奏曲(コンチェルト)」は、複数の楽器がそれぞれの旋律を奏でながら調和する音楽形式。
  • 本作では、御子柴・洋子・知原・真犯人といった複数の人物の“復讐”が交錯し、ひとつの物語を奏でる構成になっている。

🧠 作品の主題とメッセージ

  • 復讐の正当性:被害者遺族の怒りと、加害者家族の苦悩。
  • 贖罪の可能性:過去の罪を背負いながら、どう生きるか。
  • 正義の多面性:法と感情、社会と個人の正義のズレ。