🎬 作品概要
- 監督:ヤン・ゴズラン
- 主演:ピエール・ニネ(マチュー・ヴァスール)
- ジャンル:航空事故サスペンス/心理スリラー
- 舞台:フランス・アルプスと航空事故調査局(BEA)
- 特徴:音声分析という“耳”の捜査を軸にした密度の高い推理劇
📝 あらすじ(ネタバレ込み)
墜落事故と異例の人事
ヨーロピアン航空の最新鋭機アトリアン800がアルプスで墜落し、乗客乗員316人全員が死亡。
BEA(航空事故調査局)の天才音声分析官マチューは、責任者ポロックと対立していたため調査から外される。
しかしポロックが謎の失踪を遂げ、マチューが急遽ブラックボックス解析を任される。初期分析と“テロ”説
ノイズを分離した結果、客室乗務員がコックピットに入った隙に、トイレに潜んでいた男が侵入した音を特定。
記者会見で発表すると、イスラム過激派の乗客がいたとの報道が広がり、世間はテロと断定する空気に。
マチューは正式に調査責任者に昇格。音の食い違い
被害者の一人が事故直前に残した留守電には、技術トラブルを示す音が入っていたが、ブラックボックスの音声からは消えていた。
マチューは改ざんを疑うが、上司レニエ局長は否定。ポロックの影と企業の闇
マチューはポロックの自宅からドライブレコーダー映像を入手し、そこに旧友で航空セキュリティ企業ペガサス社社長ルノーの姿を発見。
ペガサスはアトリアン800の自動操縦システムを提供しており、欠陥隠蔽の可能性が浮上。
マチューの妻ノエミはペガサス勤務で、ルノーと接触していた。孤立と更迭
証拠を提出するも決定打にならず、夫婦仲も悪化。
さらにペガサスを敵に回したくないBEAはマチューを更迭。
それでも彼はポロックの残したデータの座標を突き止め、池から記録媒体を回収する。真相の告白
データにはポロックの映像が残されており、ルノーから金を受け取りブラックボックス音声を改ざんしたと自白。
欠陥は「ハッキングされると操縦不能になる」という致命的なもので、これが墜落の原因だった。
ポロックはマチューを外したのも、この事実を隠すためだった。エンディング
ルノーはノエミとの会話で事故関与をほのめかし、彼女は真実を悟る。
マチューは証拠を手にし、巨大企業と国家の癒着が生んだ惨事の全貌を暴く決意を固める。
💡 見どころ
- “耳”で暴く真相:微細な音の違いから陰謀を突き止める緊張感。
- 企業と国家の癒着:航空産業の闇と情報操作のリアル。
- 心理スリラー要素:孤立無援の主人公が精神的に追い詰められていく過程。