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敗者の告白

『敗者の告白』(角川文庫)は、深木章子によるリーガル・ミステリーで、複数の「告白」形式で語られる重層的な物語です。📘 基本情報著者:深木章子ジャンル:リーガルミステリー/イヤミス(嫌な気分になるミステリー)構成:複数の手記・証言・メールなどによる「信頼できない語り手」形式🧩 あらすじと事件概要(ネタバレあり)事件の発端山梨県北杜市の別荘で、会社経営者・本村弘樹の妻・瑞香と8歳の息子・明樹がベランダから転落死する。警察は弘樹を容疑者として逮捕。決定的証拠妻・瑞香が残した手記には「夫に殺されるかもしれない」との記述。息子・明樹が祖母に送ったメールには「妹が浴室で溺れて死んだのは自分のせい」との告白。妻の手記には、息子の実父が弘樹ではなく親友の溝口であるという衝撃の事実も。🧠 語り手たちの証言物語は、以下の人物たちの「告白」によって進行します:語り手内容瑞香(妻)夫からのDVや殺害予告を記した手記。明樹(息子)妹の死に関する罪悪感を祖母にメール。溝口(親友)と佐木子(妻)弁護士との会話形式で事件の背景を語る。弘樹(夫)無罪を主張し、妻子の死は事故だと主張。しかし、これらの証言はすべて「信頼で...
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祈りの幕が下りる時

『祈りの幕が下りる時』(講談社文庫)は、東野圭吾による加賀恭一郎シリーズの第10作であり、シリーズ最大の謎——加賀の母の失踪と死の真相——が明かされる感動的なミステリーです。🧩 物語の概要著者:東野圭吾ジャンル:警察ミステリー/人間ドラマ舞台:東京・日本橋周辺主な登場人物:加賀恭一郎:警視庁捜査一課の刑事。剣道の達人。松宮脩平:加賀の従弟で同僚刑事。浅居博美:舞台演出家。事件の鍵を握る人物。田島百合子:加賀の母。過去に家族を捨てた女性。越川睦夫(綿部俊一):百合子の恋人。事件の被害者。🔍 あらすじ(ネタバレあり)二つの殺人事件事件①:明治座近くのアパートで女性・押谷道子が絞殺される。部屋の住人・越川睦夫は行方不明。事件②:新小岩の河川敷で焼死体が発見される。当初ホームレスとされたが、DNA鑑定で越川と判明。加賀の母・百合子の過去百合子は加賀が幼い頃に家を出て失踪。仙台でスナック勤務後、綿部俊一と交際。孤独の中で亡くなり、遺品の中に「12の橋の名前」が記されたメモが残されていた。橋の暗号メモには東京・日本橋周辺の12の橋の名前が月ごとに記されていた。これは百合子が加賀に会いたい一心で、加...
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使命と魂のリミット

『使命と魂のリミット』(角川文庫)は、東野圭吾による医療サスペンス小説で、「使命」と「復讐」が交錯する緊迫の物語です。🏥 作品概要著者:東野圭吾ジャンル:医療サスペンス/心理ミステリー舞台:帝都大学病院・心臓血管外科主な登場人物:氷室夕紀:研修医。父の死に疑念を抱く。西園陽平:心臓外科教授。夕紀の父の執刀医。直井穣治:復讐を企てる技術者。真瀬望:看護師。直井の標的。七尾行成:刑事。夕紀の父の元部下。🧩 あらすじ(ネタバレあり)氷室夕紀の疑念夕紀は研修医として帝都大学病院に勤務しているが、父・健介が西園教授の手術で亡くなったことに疑念を抱いている。さらに母・百合恵が西園と交際していることも、夕紀の不信感を強める。病院への脅迫病院に「医療ミスを公表しなければ破壊する」という脅迫状が届く。病院は否定するが、夕紀は父の死が医療ミスだったのではと疑いを深める。直井穣治の復讐直井は恋人・神原春菜をアリマ自動車の不正による事故で失った。春菜は救急搬送が遅れたため死亡し、その原因はアリマ社長・島原総一郎の強引な生産体制にあった。島原が帝都大学病院で手術を受けると知った直井は、看護師・望に近づき、病院の...
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どちらかが彼女を殺した

『どちらかが彼女を殺した』(講談社文庫)は、東野圭吾による加賀恭一郎シリーズ第3作で、読者に犯人の特定を委ねるという異色の構成が話題の本格ミステリーです。🧩 あらすじ(ネタバレあり)序盤:妹の死と兄の疑念愛知県警の交通課に勤務する和泉康正は、東京で暮らす妹・園子から「裏切られた」と電話を受ける。数日後、園子は自宅マンションで感電死しているのが発見される。部屋には感電装置が仕掛けられており、自殺に見せかけた他殺の可能性が浮上。康正は警察に任せず、独自に捜査を開始。妹の交友関係から容疑者を二人に絞り込む。👤 容疑者2人容疑者関係動機佃潤一(J)園子の元恋人園子を振って親友・佳世子と交際開始。弓場佳世子(カヨコ)園子の親友園子から佃を紹介され、略奪した形に。康正は二人に復讐するため、偽情報を流して事件現場に呼び出し、真相を吐かせようとする。🔍 加賀の推理と決定的証拠刑事・加賀恭一郎が登場し、康正の工作を見抜いたうえで、冷静に事件を再構成する。決定的な証拠:睡眠薬の袋と利き手現場には2つの睡眠薬の空袋が残されていた。園子は左利き。しかし、袋の破り方は右利きの痕跡だった。よって、犯人は右利きの人...
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同級生

『同級生』(講談社文庫)は、東野圭吾による学園青春ミステリーで、デビュー作『放課後』に続く高校を舞台にした作品です。🏫 作品概要著者:東野圭吾ジャンル:青春×学園×ミステリー舞台:修文館高校主人公:西原壮一(高校3年生・野球部キャプテン)🧩 あらすじ(ネタバレあり)第1の事件:由希子の事故死野球部マネージャーの宮前由希子が、産婦人科近くの道路でトラックに轢かれて死亡。事故直前、彼女は妊娠していたことが判明し、壮一は自分が父親かもしれないと疑う。壮一は由希子の死に責任を感じ、事故の真相を探り始める。事故現場には生活指導の教師御崎藤江がいたことが判明する。第2の事件:教師の死御崎藤江が校舎内で絞殺される。現場にはダンベルやテーピングテープがあり、他殺に見せかけた自殺の可能性が浮上。壮一は事件の真相を追うが、教師たちの隠蔽体質に直面する。真相の解明由希子の妊娠相手は壮一ではなく、理科教師で天文部顧問の灰藤。御崎は灰藤に愛憎を抱いており、由希子の死に灰藤が関与していると知って絶望し、自殺を図る。自殺を他殺に見せかけたのは灰藤自身。自分に疑いが向かないよう、現場を偽装した。テーピングテープには御...
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放課後

『放課後』(講談社文庫)は、東野圭吾のデビュー作であり、第31回江戸川乱歩賞を受賞した学園ミステリーです。🏫 作品概要著者:東野圭吾ジャンル:学園ミステリー/密室殺人/青春サスペンス舞台:私立清華女子高校主人公:前島(数学教師・アーチェリー部顧問)🧩 あらすじ(ネタバレあり)序盤:教師への脅迫と密室殺人私立清華女子高校の数学教師・前島は、何者かに命を狙われていたが、校長の指示で警察には届けずにいた。ある日、校内の男子更衣室で生徒指導部長の村橋が青酸中毒で死亡。現場は内側から心張り棒がかけられた密室だった。中盤:容疑者と伏線事件の容疑者として浮かび上がるのは、アーチェリー部のキャプテン杉田恵子(ケイ)、サブリーダーの朝倉加奈江、剣道部主将の北条雅美など。さらに、村橋が女子生徒の合宿を覗いていたことや、教師・麻生恭子との関係を示すポラロイド写真が発見される。第2の事件:運動会での殺人運動会の仮装行列中に、教師の竹井が毒殺される。前島は事件の真相に迫るが、犯人に襲われて負傷する。真相:複数の犯人と動機村橋殺害の犯人は宮坂恵美。彼女は合宿中に自慰行為をしていたところを村橋に覗かれ、屈辱から殺害...
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白馬山荘殺人事件

『白馬山荘殺人事件』(光文社文庫)は、東野圭吾による初期の本格ミステリーで、雪深いペンションを舞台にした密室殺人と暗号解読が絡む王道の推理小説です。🏔️ 作品概要著者:東野圭吾初版:1986年(カッパノベルス)、1990年に文庫化ジャンル:本格ミステリー/密室殺人/暗号解読舞台:信州・白馬のペンション「まざあ・ぐうす」🧩 あらすじ(ネタバレあり)一年前の事件:兄の死大学生・原ナオコの兄・公一が、白馬のペンション「まざあ・ぐうす」で密室状態で死亡。遺書には「マリア様が、家に帰るのはいつか?」という謎めいた言葉が残されていた。警察は自殺と判断するが、ナオコは納得できず、親友のマコトとともにペンションを再訪する。再訪と新たな事件ナオコたちが訪れた冬、ペンションには前年と同じ宿泊客が集まっていた。やがて、宿泊客の一人・大木が殺害される。さらに、ペンションの過去に関わる英国人女性の失踪事件も浮上し、謎が複雑に絡み合っていく。マザーグースの暗号ペンションの各部屋にはマザーグースの詩が飾られており、公一の遺言と関係があることが判明。詩の中に隠された暗号を解読することで、ペンションの地下に隠された秘密...
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卒業

『卒業』(講談社文庫)は、東野圭吾による加賀恭一郎シリーズの第1作で、加賀がまだ大学生だった頃の事件を描いた青春ミステリーです。🎓 作品概要著者:東野圭吾シリーズ:加賀恭一郎シリーズ第1作舞台:国立T大学、学生寮「白鷺荘」ジャンル:青春×本格ミステリー🧩 あらすじ(ネタバレあり)第1の事件:祥子の死加賀恭一郎は大学4年生。仲間7人と卒業を控えた日々を過ごしていた。ある日、グループの一人・牧村祥子が自室で左手首を切って死亡。密室状態で自殺と見られる。しかし祥子の日記が4日前から止まっており、違和感が残る。第2の事件:波香の死祥子の死後、グループは茶道の恩師・南沢雅子の誕生日会に集まる。その場で「雪月花之式」という茶道のゲームを行うが、波香が突然痙攣し死亡。死因は青酸中毒。波香が飲んだ茶を点てたのは沙都子だったが、加賀は彼女の無実を信じる。加賀の推理波香は剣道の大会で不自然な敗北をしており、八百長を疑っていた。彼女は自分に薬を盛った人物を探していた可能性がある。加賀は「雪月花之式」で特定の札を引かせるトリックがあったと推理。父・隆正の助言で、形状記憶合金を使った鍵の細工に気づく。真犯人の正...
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沈黙のパレード

『沈黙のパレード』(文春文庫)は、東野圭吾による「ガリレオ」シリーズの一作で、天才物理学者・湯川学と刑事・草薙俊平が、過去に無罪となった凶悪犯の再登場とその死をめぐる謎に挑む心理ミステリーです。以下にネタバレを含めて詳しく内容を紹介します。🧩 あらすじ(ネタバレあり)第1章:過去の事件と再登場舞台は静岡県の架空の町・菊野市。3年前に行方不明となった女子高生・並木佐織の遺体が、火事の焼け跡から発見される。遺体が見つかった場所は、23年前に少女殺害事件で逮捕されたが無罪となった蓮沼寛一の実家。蓮沼は過去の事件でも黙秘を貫き、証拠不十分で釈放されていた。第2章:再逮捕と釈放蓮沼は佐織殺害容疑で再逮捕されるが、今回も黙秘を貫き、証拠不十分で不起訴となる。釈放後、蓮沼は佐織の父・並木祐太郎に対して名誉毀損の謝罪と賠償を要求。地元住民や佐織の関係者たちは怒りを募らせ、蓮沼への復讐を誓う。第3章:沈黙のパレードと殺人菊野市の恒例行事「キクノ・ストーリー・パレード」が開催される。町の人々は蓮沼を罠にかける計画を立て、パレードの混乱の中で彼を殺害する。蓮沼は外傷なく死亡。死因は不明。第4章:湯川の推理と...
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真犯人

テレビドラマ「真犯人」には複数の作品が存在しますが、ここではWOWOWドラマ版『真犯人』(原作:翔田寛)について、ネタバレを含めて詳しくご紹介します📺🕵️‍♂️ あらすじ(ネタバレあり)舞台:平成20年の日本。山間の道路で男性(尾美としのり)の刺殺体が発見される。被害者の過去:彼は昭和49年に起きた男児誘拐殺人事件の被害者の父親だった。事件の背景:誘拐事件は未解決のまま時効を迎えていた。殺害現場は当時の身代金受け渡し場所だった。再捜査開始:警察は過去の事件との関連を疑い、捜査本部を再設置。捜査を指揮するのは副所長に昇進した上川隆也演じる刑事。小泉孝太郎演じる若手刑事が協力を申し出る。🔍 真相と衝撃の結末過去の事件の真相:誘拐されたはずの男児は実は家庭内で事故死していた。母親が突き飛ばした拍子に頭を打って死亡。祖父が娘(母親)を守るため、偽装誘拐を仕立てた。現在の殺人事件の真相:被害者の父(尾美)は、事件の真相を知り、母親を問い詰める。もみ合いの末、母親が誤って尾美を刺殺。証拠の鍵:写真アルバムに写り込んだ男児の靴が、事件の真相解明のきっかけに。ラスト:内田有紀演じる姉が逃亡し、事件の真...
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