『十津川警部の標的』(光文社文庫 に-1-60)は、西村京太郎による短編集で、十津川警部が各地を舞台に難事件に挑む3編が収録されています。
📘 収録作品一覧とネタバレあらすじ
1️⃣ 十津川警部の標的
- 事件概要:新宿のホステス殺しの容疑者・竹田淳が逃走。十津川は彼の逃走経路を推理し、北陸・芦原温泉の潜伏先を突き止める。
- 真相:竹田は越前海岸の名勝・呼鳥門におびき出されるが、逆にライフル銃で十津川が狙撃される。
- 犯人:竹田は殺人の動機を隠し、逃亡中にさらに罪を重ねていた。十津川は命の危険を冒しながらも逮捕に成功。
2️⃣ 十津川警部「いたち」を追う(副題:神話と殺意の中国路)
- 事件概要:中国地方を舞台に、横山大観と橋本関雪の絵にまつわる美術品詐欺と殺人事件が発生。
- 真相:犯人は美術品の贋作を利用して金を得ていたが、真作を知る人物を口封じのために殺害。
- 特徴:十津川が北川刑事とコンビを組み、文化財と殺意が交錯する事件に挑む。
3️⃣ 十津川、民謡を唄う(副題:哀しみの余部鉄橋)
- 事件概要:山陰地方の余部鉄橋を舞台に、民謡「安来節」に絡んだ殺人事件が発生。
- 真相:被害者は民謡の保存活動に関わっていたが、過去の因縁が殺意を生んだ。犯人は民謡の権利を巡る恨みを抱えていた。
- 特徴:十津川が民謡の世界に踏み込み、文化と犯罪の接点を探る。刑事コロンボ風の追い詰め方が印象的。
🎭 総評とテーマ
- 旅情ミステリーの魅力:北陸・山陰・中国地方など、風景描写と土地の文化が事件に深く関わる。
- 文化と犯罪の交錯:美術品、民謡、観光地などが舞台となり、知的な謎解きが展開。
- 十津川の人間味:命を狙われながらも冷静に推理を進める姿が描かれ、シリーズの中でも緊張感のある一冊。