オッペンハイマー

映画『オッペンハイマー』(2023年)は、原子爆弾の開発を主導した物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの波乱に満ちた半生を描いた歴史ドラマで、クリストファー・ノーラン監督による重厚な作品です。


🧠 物語の構成と時系列

物語は複数の時代を行き来しながら、オッペンハイマーの人生と業績、そしてその後の政治的迫害を描いています。


📖 あらすじ(ネタバレあり)

【起】若き天才の誕生

  • 1920年代、ハーバード大学を最優秀で卒業したオッペンハイマーは、ケンブリッジ大学を経てドイツ・ゲッティンゲン大学で量子力学を学ぶ。
  • 帰国後、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執り、物理学者として名声を得る。

【承】マンハッタン計画と原爆開発

  • 第二次世界大戦中、ナチスの核開発に対抗するため、アメリカ政府は「マンハッタン計画」を始動。
  • オッペンハイマーはロスアラモス研究所の所長として、科学者たちを率い原爆開発を進める。
  • 1945年7月、世界初の核実験「トリニティ」が成功。続いて広島・長崎に原爆が投下される。

【転】栄光と苦悩

  • 戦後、オッペンハイマーは核兵器の使用に対する罪悪感と、核開発競争への懸念を抱く。
  • 水素爆弾の開発には反対し、政治的立場を明確にすることで政府との対立が深まる。
  • 1954年、過去の共産党との関係を理由に、聴聞会でスパイ容疑をかけられ、公職から追放される。

【結末】正義と裏切り

  • 聴聞会の背後には、政敵ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)の策略があった。
  • オッペンハイマーは名誉を失うが、科学者としての信念を貫く。
  • ラストでは、アインシュタインとの会話を通じて「核の連鎖反応は止められない」との哲学的な問いが提示される。

🎬 作品の特徴と評価

  • 監督:クリストファー・ノーラン
  • 主演:キリアン・マーフィー(J・ロバート・オッペンハイマー)
  • 受賞歴:第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など7部門受賞
  • テーマ:科学と倫理、栄光と責任、政治と裏切り