映画『ダラスの熱い日』(原題:Executive Action)は、1973年に公開されたポリティカル・スリラーで、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を題材にした陰謀劇です。以下に、完全ネタバレを含む詳細な内容をまとめます。
🧠 作品概要
- 監督:デイヴィッド・ミラー
- 脚本:ダルトン・トランボ
- 出演:バート・ランカスター、ロバート・ライアン、ウィル・ギア ほか
- ジャンル:政治サスペンス/陰謀劇
- 原作:マーク・レーンとドナルド・フリードの著書に基づく
- 特徴:実際のニュース映像や中継映像を挿入したドキュメンタリー風の演出
📜 あらすじ(完全ネタバレ)
序盤:陰謀の発端
1963年6月、元軍人ロバート・フォスターの邸宅に、元CIA高官ジェームズ・ファリントン、石油王ハロルド・ファーガソン、右翼退役軍人らが集まり、ケネディ政権の進歩的政策に対する不満を共有。彼らは「行政措置(Executive Action)」として暗殺計画を立案。
ファリントンは過去の大統領暗殺(リンカーン、ガーフィールド、マッキンリー)を例に挙げ、車列中の狙撃が最も成功率が高いと提案。狙撃チームA・Bを編成し、モハーヴェ砂漠で訓練を開始。
中盤:計画の進行
ケネディが核軍縮や公民権運動を推進し、ベトナム戦争からの撤退を示唆したことで、ファーガソンは暗殺計画に同意。コンピューター分析により、リー・ハーヴェイ・オズワルドが「単独犯」に仕立てるのに最適とされ、彼の行動を監視・誘導する工作が始まる。
オズワルドそっくりの人物を雇い、極右的な言動を公然と行わせることで、世間に「政治的狂信者」として印象づける。
クライマックス:暗殺の実行
1963年11月22日、ダラスでのパレード中、3方向からの狙撃によりケネディが暗殺される。狙撃手たちは即座に撤退し、オズワルドは逮捕される。
ファリントンの部下ティムがジャック・ルビーに接触し、ルビーは警察署内でオズワルドを射殺。証拠隠滅が進められ、陰謀は表面化しないまま終息へ。
結末:余波と沈黙
共謀者たちは「オズワルド単独犯説」が世間に受け入れられるかを懸念するが、フォスターは「ロバート・ケネディは兄の死に悲しむだけで、報復はない」と断言。
ファリントンは心臓発作で死亡。エンディングでは、JFK暗殺に関する証人18人の写真が映し出され、そのうち16人が3年以内に不審死を遂げたとされる。ナレーションでは「その確率は10京分の1」と語られ、陰謀の深さを暗示して幕を閉じる。
🎯 主なテーマと見どころ
- 政治的陰謀と権力構造の闇
- ケネディ政権のリベラル政策に対する保守派の反発
- 暗殺計画の緻密な準備と実行
- メディア操作と世論誘導
- 実録映像を交えたリアリズム