スノーデン

映画『スノーデン』(2016年公開)は、元CIA・NSA職員エドワード・スノーデンによる内部告発事件を描いた実話ベースのポリティカル・スリラーです。以下に、物語の流れを時系列で完全ネタバレを含めて詳細に解説します。


🧠 基本情報

  • 監督:オリバー・ストーン
  • 主演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット(エドワード・スノーデン)
  • 原作:ルーク・ハーディング『スノーデンファイル』、アナトリー・クチェレナ『Time of the Octopus』
  • ジャンル:伝記/社会派スリラー
  • 上映時間:134分

🕵️‍♂️ ストーリー詳細(完全ネタバレ)

第1章:告発の始まり(2013年・香港)

スノーデンは香港のホテルで、ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラスとガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルドに接触。彼はNSAの極秘監視プログラムの情報を暴露する決意を固めていた。携帯電話を電子レンジに入れて電波を遮断するなど、徹底したセキュリティ対策を講じる。


第2章:軍隊からCIAへ

9.11テロをきっかけに愛国心に燃えたスノーデンは軍に志願するも、訓練中に足を負傷し除隊。コンピューターの才能を活かしCIAに入局し、サイバーセキュリティの訓練施設「ザ・ヒル」で頭角を現す。教官コービン・オブライアンやハンク・フォレスターに認められる。


第3章:ジュネーブでの任務と疑念

スイス・ジュネーブに赴任したスノーデンは、NSAの検索システム「XKeyscore」の存在を知る。これは世界中の個人のメール、チャット、SNSなどを検索・閲覧できる恐るべきツールだった。CIAはこの情報を使って、無関係な人物をスパイに仕立て上げるなどの工作を行っていた。


第4章:日本での活動と苦悩

CIAを辞職し、NSAの契約社員として日本に赴任。表向きはサイバー防衛技術の指導だが、実際は日本政府や企業への盗聴・ハッキング任務。恋人リンゼイとの関係も悪化し、精神的に追い詰められていく。


第5章:ハワイでの決断

アメリカ帰国後、てんかんを発症。療養のためハワイへ移住し、NSAの技術者として勤務。そこで、自分が開発したシステムが戦地の空爆に使われている映像を目にし、信念が崩壊。国家による盗聴・盗撮の実態を世界に知らせる決意を固める。


第6章:情報の持ち出しと告発

NSAの閲覧禁止データをコピーし、ルービックキューブに隠して持ち出す。リンゼイにすべてを打ち明け、彼女にも危険が及ぶ可能性を伝える。香港のホテルで記者たちに情報を渡し、2013年6月、世界に衝撃的なニュースが発信される。


第7章:亡命と現在

スノーデンはホテルを脱出し、ロシアに亡命。アメリカ国籍を失効し、現在はモスクワで暮らしている。リンゼイも彼の元へ駆けつけ、共に生活している。


🎬 映画の特徴と演出

  • 実話ベースながら、スノーデンの内面の葛藤や恋人との関係も丁寧に描写。
  • ルービックキューブや電子レンジなど、緊迫感ある演出が印象的。
  • 専門用語が多いが、視覚的にわかりやすく説明されている。