映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015年)は、2008年のリーマンショックを予見し、金融市場の崩壊に賭けた実在の人物たちを描いた社会派ドラマです。
💰 あらすじ(ネタバレあり)
📉 起:異変に気づいた男たち
- 2005年、元医師でヘッジファンドマネージャーのマイケル・バーリ(クリスチャン・ベイル)は、住宅ローン市場の異常に気づく。
- サブプライムローン(信用力の低い層への住宅ローン)が大量に組み込まれたCDO(債務担保証券)が破綻することを予測。
- 彼はCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という保険商品を使って、住宅市場の崩壊に“空売り”を仕掛ける。
🧠 承:疑念と調査
- 銀行家ジャレッド(ライアン・ゴズリング)はバーリの動向に注目し、ヘッジファンドマネージャーのマーク・バウム(スティーヴ・カレル)に情報を提供。
- マークは部下と共に調査を進め、サブプライムローンが詐欺的に組まれている実態を知る。
- 一方、若手投資家チャーリーとジェイミーも市場の異常に気づき、元トレーダーのベン・リカート(ブラッド・ピット)に協力を求める。
🔍 転:市場の崩壊と利益
- 2007年〜2008年、住宅市場が崩壊し始め、サブプライムローンが次々と焦げ付き、CDOの価値が暴落。
- バーリは489%の利益を得てファンドを閉鎖。
- マークやジャレッド、チャーリーとジェイミーもCDSを売却し、莫大な利益を得る。
🧨 結末:勝者なき勝利
- 彼らは巨額の利益を得るが、リーマンショックによって数百万人が職や家を失う。
- ベンは若手に「君たちが儲けた分、誰かが人生を失っている」と諭す。
- 最後にバーリは水市場への投資を始めると語られ、物語は静かに幕を閉じる。
🎯 テーマと意義
- 金融業界の不正と構造的腐敗を暴く。
- 「儲けること」と「倫理」の葛藤。
- 実話に基づく知的で皮肉なエンターテインメント。