そして誰もいなくなった

 

🎬 作品概要

  • 原作:アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』
  • 舞台:1939年8月、イギリス・デヴォン州沖の孤島「兵隊島」
  • 特徴:原作の結末(全員死亡)を踏襲しつつ、真相は犯人の直接の告白で明かされる構成

📝 あらすじ(ネタバレ込み)

起:孤島への招待

  • 面識のない8人の男女が「オーエン夫妻」からの招待状で兵隊島へ。
  • 島には新たに雇われた使用人夫妻(トマス&エセル・ロジャーズ)が待っていたが、招待主は不在。
  • 夕食後、レコードから謎の声が流れ、全員(使用人含む10人)の過去の殺人を告発する。

承:童謡になぞらえた連続殺人

  • ダイニングテーブルには「十人の小さな兵隊さん」の人形が10体。
  • 童謡の歌詞通りに、一人死ぬごとに人形が一つずつ消えていく。
  • 1人目:青年マーストンが毒入り酒で死亡。
  • 2人目:料理人エセルが睡眠薬で死亡。
  • 3人目:退役将軍マッカーサーが撲殺される。
  • 4人目:執事トマスが斧で殺害。
  • 5人目:信心深い老婦人ブレントが編み棒で刺殺。
  • 6人目:判事ウォーグレイヴが銃撃され死亡したように見える。
  • 7人目:医師アームストロングが行方不明に。
  • 8人目:元巡査部長ブロアが重い置物で頭部を潰され死亡。
  • 9人目:兵士ロンバードが銃で撃たれる。
  • 残るはヴェラ(元家庭教師)のみ。

転:最後の一人

  • ヴェラはロンバードを殺した後、童謡の最後の節に従い、自ら首を吊ろうとする。
  • その瞬間、死んだはずのウォーグレイヴ判事が現れ、椅子を蹴って彼女を絞殺。

結:真犯人の告白

  • ウォーグレイヴは末期癌で余命わずか。生涯の夢だった「完全犯罪」を実現するため、罪を犯した者たちを集め、童謡になぞらえて処刑していった。
  • アームストロングを共犯に見せかけて殺害し、自分の死を偽装。最後にヴェラを殺し、全員死亡を完成させた後、銃で自殺。
  • 島には本当に「誰もいなくなった」。

💡 見どころ

  • 原作のダークさを忠実再現:全員死亡エンドと犯人の動機の重さ。
  • 映像の陰鬱な美しさ:荒涼とした孤島と重苦しい空気感。
  • 心理戦と疑心暗鬼:人数が減るごとに高まる緊張感と狂気。