映画『妻は告白する』(1961年、監督:増村保造)は、若尾文子主演による心理サスペンスの傑作で、登山中の事故死をめぐる裁判劇を通じて、愛と罪、そして人間の業を描いています。以下、ネタバレを含めて詳しくご紹介します🧠
🧗♀️ あらすじ(ネタバレあり)
- 登山事故:大学助教授・滝川亮吉(小沢栄太郎)、その妻・彩子(若尾文子)、製薬会社社員・幸田修(川口浩)の3人が北穂高で登山中に遭難。
- 転落の瞬間:亮吉が足を滑らせ転落しそうになり、ザイルで繋がれていた彩子も宙吊りに。幸田が2人を支えるが限界に達し、彩子はナイフで夫とのザイルを切断。亮吉は転落死。
⚖️ 裁判と真相
- 裁判の争点:彩子の行為は「殺人」か「緊急避難」か。
- 背景の暴露:
- 彩子は貧困から抜け出すために亮吉と結婚したが、愛のない生活に苦しんでいた。
- 幸田との間に情が芽生え、夫に生命保険をかけるよう促す。
- 保険金は500万円という高額で、事故後に彩子が受け取る。
- 判決:彩子は無罪となる。
💔 結末と衝撃のラスト
- 彩子は保険金で高級アパートに引っ越し、幸田との新生活を望む。
- 幸田は彩子の行動に嫌悪感を抱き、地方転勤を決意。
- 彩子は幸田の会社に押しかけるが拒絶され、絶望の末に会社のトイレで服薬自殺。
- 遺書には「保険金を結婚資金に使ってください」と残されていた。
- 幸田の元婚約者は「本当に人を愛したのは彩子だけ」と告げて去っていく。
🎭 キャスト
俳優 | 役名・役割 |
---|---|
若尾文子 | 滝川彩子(主人公、被告人) |
川口浩 | 幸田修(製薬会社社員、彩子の想い人) |
小沢栄太郎 | 滝川亮吉(彩子の夫、事故死) |
馬渕晴子 | 幸田の婚約者 |
根上淳 | 弁護士 |
高松英郎 | 検事 |
✨ 見どころとテーマ
- モノクロ映像の陰影が心理描写を強調。
- 若尾文子の妖艶さと狂気が際立つ演技。
- 法廷劇を通じて「愛とは何か」「罪とは何か」を問いかける。
この作品は、単なるサスペンスではなく、女性の生きづらさや社会的抑圧を描いた深い人間ドラマとして高く評価されています。