🎬 作品概要
- 原題:Der Fall Collini(英題:The Collini Case)
- 原作:フェルディナント・フォン・シーラッハの同名小説
- 監督:マルコ・クロイツパイントナー
- 主演:エリアス・ムバレク(カスパー・ライネン)、フランコ・ネロ(ファブリツィオ・コリーニ)
- ジャンル:法廷サスペンス/社会派ドラマ
- テーマ:ナチスの戦争犯罪と戦後ドイツの司法制度の闇
📝 あらすじ(ネタバレ込み)
起:衝撃の依頼
- 2001年、ベルリンの高級ホテルで実業家ハンス・マイヤーが射殺される。
- 犯人はイタリア人の老人ファブリツィオ・コリーニ。逮捕時に自ら犯行を認めるが、動機は一切語らない。
- 国選弁護人として選ばれたのは、新米弁護士カスパー・ライネン。
- しかし被害者マイヤーは、ライネンの少年時代の恩人で、元恋人ヨハナの祖父だった。
承:沈黙と手がかり
- コリーニは黙秘を続け、裁判は不利に進む。
- ライネンは現場で使われた拳銃ワルサーP38に見覚えを覚え、マイヤー邸の書斎で同型銃を発見。
- これを見せるとコリーニが動揺したため、ライネンは裁判の中断を求め、コリーニの故郷イタリア・モンテカティーニへ向かう。
転:動機の核心
- 現地調査で、1944年にマイヤーがナチス将校としてモンテカティーニ住民を虐殺し、その中にコリーニの父がいた事実が判明。
- コリーニと姉は戦後、マイヤーを戦争犯罪者として告発し続けたが、当時の法律改正(通称「ドレビンガー改正」)により時効が成立し、不起訴となっていた。
- 姉の死をきっかけに、コリーニは復讐を決意したのだった。
結:司法の闇と終幕
- ライネンは、当時不起訴を決定したのが自らの師マッティンガーであることを突き止め、証人として法廷に立たせる。
- マッティンガーは「当時の法律では合法だった」と主張するが、現代の価値観では戦争犯罪として有罪になると認める。
- 審理は終了し、判決は翌日に持ち越される。
ラスト
- 翌日、法廷にコリーニの姿はなく、彼が独房で自殺したことが告げられる。
- 数日後、ライネンのもとにコリーニの遺品として、父と幼い自分が写った写真が届く。
- ライネンは葬儀に参列し、彼の人生と正義の意味を静かに噛みしめる。
💡 見どころ
- 戦後ドイツ司法の欠陥:実在の法律改正をモチーフに、戦争犯罪が裁かれなかった現実を描く。
- 個人的復讐と普遍的正義:一人の老人の行動が、国家の過去と向き合うきっかけになる。
- 法廷劇の緊張感:証人尋問や証拠開示の場面が物語の山場。