二流小説家 シリアリスト

🎬 作品概要

『二流小説家 シリアリスト』(2013年/日本)は、デイヴィッド・ゴードン原作のミステリー小説を映画化したサスペンス。
売れない作家と死刑囚シリアルキラーの危うい関係が、連続殺人事件の再発とともに暴かれていきます。


📝 あらすじ(ネタバレ込み)

  • 出会いのきっかけ
    官能小説やライトノベルで糊口をしのぐ二流作家・赤羽一兵(上川隆也)のもとに、面識のない死刑囚・呉井大吾(武田真治)から「自分の告白本を書け」という手紙が届く。
    呉井は12年前、女性4人を惨殺し頭部を切断、遺体を花で飾り、写真を警察に送りつけた“シリアル・フォト・キラー”として死刑判決を受けていた。

  • 奇妙な取引
    呉井は「自分と熱狂的女性信者を登場させた官能小説を書く」ことを条件に、過去を語ると持ちかける。赤羽は取材を開始し、信者3人(銀行員ユウカ、引きこもりのジュリ、AV女優サラ)に会う。

  • 新たな惨劇
    しかし3人は次々と12年前と同じ手口で殺害される。頭部は行方不明。呉井は拘置所にいるため、模倣犯の存在が浮上する。

  • 千夏との接近
    被害者遺族の長谷川千夏(片瀬那奈)が赤羽に接近し、「真相を知りたい」と協力を申し出る。二人は呉井の過去を探るが、赤羽は何者かに命を狙われる。

  • 真相の暴露
    調査の末、模倣犯は千夏だったことが判明。彼女は姉を殺された恨みから呉井を挑発し、事件を再現して世間の注目を集めようとしていた。
    呉井は千夏の行動を利用し、自らの告白本を世に出す計画を進めていた。

  • 終幕
    千夏は逮捕され、呉井は死刑執行へ。赤羽のもとには呉井からの最後の手紙が届き、「本物の俺を書け」とだけ記されていた。
    赤羽は呉井との対峙を経て、作家としての自分と向き合う決意を固める。


💡 見どころ

  • 二重の心理戦:死刑囚と作家、模倣犯と被害者遺族、それぞれの思惑が交錯。
  • メタ構造:作中で赤羽が書く官能小説が、事件の進行とリンク。
  • 猟奇と人間ドラマの融合:残虐描写の裏にある孤独や執着が浮かび上がる。