🎬 作品概要
『ザ・ドライバー』(1978年/米)は、ウォルター・ヒル監督によるハードボイルドなカーアクション。
名前を持たない登場人物たちが、台詞も感情表現も極限まで削ぎ落とされた世界で、執念深い刑事と凄腕の逃がし屋ドライバーの攻防を描きます。
📝 あらすじ(結末まで)
- 冒頭の逃走劇
青い車を盗んだ男=“ドライバー”は、カジノ強盗を鮮やかな運転で逃がし、パトカーを次々とクラッシュさせて振り切る。 - 刑事の執念
“刑事”はこの逃がし屋を逮捕しようと、強盗グループを使ったおとり捜査を計画。 - 危険な取引
ドライバーは一度は依頼を断るが、条件を釣り上げて銀行強盗の運転を引き受ける。しかしこれは警察の罠で、仲間のリーダーが裏切り、彼を殺そうとする。 - 逆転と裏切り
ドライバーはリーダーを射殺し、金を奪って逃走。仲介役の“カジノの女”に資金洗浄を依頼するが、情報が漏れ、強盗の相棒や刑事も取引現場に集結。 - クライマックスのカーチェイス
相棒との壮絶なチェイスの末、倉庫でチキンレースに。相棒の車が横転し、ドライバーは射殺。金を回収しようとするが…。 - ラストの皮肉
コインロッカーのバッグは空。刑事とドライバーは「二人とも騙された」と悟り、ドライバーは夜の街へ去っていく。
💡 見どころ
- リアル志向のカーアクション:爆発や派手な演出を排し、重量感ある衝突や緊迫感を重視。
- 無駄を削ぎ落とした演出:恋愛要素や説明的な台詞を排し、視線や間で物語を進める。
- “名前のない”人物設定:寓話的でクールな世界観を強化。
- 後世への影響:『ベイビー・ドライバー』など多くの作品にオマージュを与えた。