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Cinema

ゾディアック

映画『ゾディアック』(2007年)は、1960〜70年代にアメリカ・カリフォルニア州で実際に起きた未解決の連続殺人事件「ゾディアック事件」を題材にした、デヴィッド・フィンチャー監督による緻密なサスペンス映画です。🕵️‍♂️ 登場人物と背景ロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール):風刺漫画家。暗号解読に興味を持ち、事件にのめり込む。ポール・エイブリー(ロバート・ダウニー・Jr):新聞記者。ゾディアックから直接脅迫を受ける。デイブ・トースキー(マーク・ラファロ):サンフランシスコ市警の刑事。事件の捜査を担当。📖 あらすじ(ネタバレあり)【起】最初の犯行と暗号文1969年、若いカップルが車内で銃撃される。その後、新聞社に「ゾディアック」と名乗る人物から犯行声明文と暗号文が届く。暗号は一般人によって解読されるが、犯人の名前は含まれていなかった。【承】連続する犯行と捜査の混乱湖畔でカップルがナイフで襲われ、タクシー運転手も射殺される。ゾディアックは犯行後に警察や新聞社に手紙を送り、挑発を続ける。トースキー刑事らは容疑者としてアーサー・リー・アレンに注目するが、筆跡やDNAが一致せず逮捕に...
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テミスの剣

『テミスの剣』(文春文庫)は、中山七里による社会派ミステリーで、冤罪・司法制度・正義の在り方をテーマにした重厚な長編です。刑事・渡瀬が主人公で、彼の過去と現在を交錯させながら、三つの事件が一つの真実に収束していきます。📘 基本情報著者:中山七里ジャンル:社会派ミステリー/警察小説刊行:文春文庫主人公:渡瀬刑事(シリーズ作品にも登場)🧩 物語の三部構成(ネタバレあり)第1部:冤罪の始まり(昭和59年)浦和市で不動産業者夫婦が殺害される。若手刑事・渡瀬は、教育係の鳴海とともに捜査。被害者が違法な高利貸しをしていたことが判明。帳簿から楠木明大という青年が容疑者として浮上。鳴海は強引な取り調べで楠木に自白させる。渡瀬もそれに加担し、楠木は死刑判決を受ける。楠木は刑の執行前に自殺。➡ 渡瀬はこの事件が冤罪だったのではと疑念を抱き続ける。第2部:真犯人の出現(平成初期)楠木の死から5年後、類似の強盗殺人事件が発生。渡瀬は地道な捜査で迫水二郎という男にたどり着く。迫水は新たな事件だけでなく、楠木の事件も自分の犯行だと自供。渡瀬は冤罪を証明しようとするが、警察組織は隠蔽を図る。検事・恩田の協力で供述調...
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新参者

『新参者』(講談社文庫)は、東野圭吾による加賀恭一郎シリーズ第8作で、東京・日本橋を舞台にした連作短編形式の本格ミステリーです。各章が独立した物語でありながら、全体としてひとつの殺人事件の真相に迫る構成となっています。📘 基本情報著者:東野圭吾シリーズ:加賀恭一郎シリーズ第8作形式:連作短編(全9章)舞台:東京・日本橋中心事件:三井峯子絞殺事件🧩 各章の内容(ネタバレあり)章タイトル内容と事件への関係第1章煎餅屋の娘加賀は煎餅屋「あまから」で、峯子の訪問客・田倉のアリバイを確認。店主の母の病気を隠すため偽の診断書が使われていた。加賀はその事情を汲み、田倉のアリバイを成立させる。第2章料亭の小僧料亭「まつ矢」の小僧・脩平が買った人形焼きが峯子宅に残されていた。実は料亭主人の妻・頼子がわさび入りの人形焼きを仕込んでいたことが判明。峯子はそれを受け取っていた。第3章瀬戸物屋の嫁瀬戸物屋「柳沢商店」の嫁・麻紀が峯子にキッチンバサミの購入を依頼。姑へのプレゼントだったが、誤解が生じていた。峯子は善意で動いていたことがわかる。第4章時計屋の犬時計店「寺田時計店」の主人が峯子と会っていた。峯子は亡き...
Cinema

レッドオクトーバーを追え!

映画『レッド・オクトーバーを追え!』(1990年)は、トム・クランシーの小説を原作とした冷戦時代の軍事スリラーで、ショーン・コネリーとアレック・ボールドウィンが主演を務めています。以下、ネタバレを含めて詳しくご紹介します🚢🧭 あらすじ(ネタバレあり)1. 潜水艦「レッド・オクトーバー」の出航ソ連の最新鋭原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」が、超静音航行システム「キャタピラー・ドライブ」を搭載して出航。艦長マルコ・ラミウス(ショーン・コネリー)は、密かにアメリカへの亡命を企てていた。政治士官プーチンを殺害し、偽の命令書を乗組員に提示して米国東海岸へ向かう。2. CIA分析官ジャック・ライアンの推理ジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)は、ラミウスの行動が攻撃ではなく亡命だと推測。米政府は当初、ラミウスが核攻撃を企てていると誤解し、潜水艦の撃沈を検討。3. 米ソの緊迫した駆け引きソ連はラミウスの亡命を阻止すべく、艦隊を派遣して「レッド・オクトーバー」を追撃。ライアンは米潜水艦「ダラス」に乗り込み、ラミウスとの接触を試みる。モールス信号を使ってラミウスと通信し、亡命の意思を確認。4....
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追憶の夜想曲

『追憶の夜想曲』(講談社文庫)は、中山七里による「御子柴礼司」シリーズ第2作で、悪徳弁護士・御子柴が過去の罪と向き合いながら、ある殺人事件の真相を暴いていく法廷ミステリーです。📘 基本情報著者:中山七里シリーズ:御子柴礼司シリーズ第2作ジャンル:法廷ミステリー/心理サスペンス主な舞台:控訴審法廷🧩 あらすじと事件概要(ネタバレあり)主人公:御子柴礼司少年時代に凶悪事件を起こし、現在は「悪徳弁護士」として名を馳せる。金持ちの依頼しか受けず、懲戒請求が絶えない。今回は異例にも、金にならない事件の弁護を自ら引き受ける。被告人:津田亜季子夫・津田伸吾をカッターナイフで刺殺した罪で起訴され、控訴審に臨む。初公判では殺害を認めていたが、御子柴は無罪を主張。⚖️ 法廷での攻防検事:岬恭平御子柴と因縁のある検事。御子柴の過去を知る数少ない人物。弁護戦略御子柴は亜季子の過去を徹底的に調査。亜季子が先端恐怖症であることを突き止める。尖ったものを見ると身体が硬直し、動けなくなる。凶器がカッターナイフである以上、犯行は不可能。🧠 真相とどんでん返し亜季子の隠された過去亜季子は、御子柴が少年時代に犯した殺人事件...
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贖罪の奏鳴曲

『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』(講談社文庫)は、中山七里による「御子柴礼司」シリーズの第1作で、かつて猟奇殺人を犯した少年が弁護士となり、過去と向き合いながら事件に挑む法廷ミステリーです。⚖️ 作品概要著者:中山七里シリーズ:御子柴礼司シリーズ第1作ジャンル:法廷ミステリー/心理サスペンス主人公:御子柴礼司(悪辣弁護士)🧩 あらすじ(ネタバレあり)冒頭:死体遺棄から始まる衝撃物語は、弁護士・御子柴礼司がフリーライター・加賀谷竜次の死体を遺棄する場面から始まる。加賀谷は保険金殺人事件を追っていた記者で、御子柴の過去を知り、強請っていた。御子柴には事件当時、法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があり、殺人犯ではないとされる。保険金殺人事件の真相事件の中心は、工場経営者・東條彰一の死亡。事故で意識不明となった彼の人工呼吸器が停止され、妻・美津子が殺人容疑で逮捕される。彰一には3億円の保険がかけられていた。殺害時、病室には美津子と障害を持つ息子・幹也しかいなかった。美津子の指紋が機器に残っていたため、彼女が起訴される。御子柴はこの事件の弁護を引き受ける。御子柴の過去と動機御子柴はかつて「死体配達人」...
Drama

闇の伴奏者

テレビドラマ『闇の伴走者』(WOWOWオリジナルドラマ)は、漫画業界を舞台にしたサスペンスミステリーで、未発表漫画作品に隠された連続殺人事件の真相を追う物語です。以下、ネタバレを含めて詳しくご紹介します🕵️‍♀️🎬 あらすじ(ネタバレあり)主人公:調査会社の調査員・優希(松下奈緒)と、フリー編集者・醍醐(古田新太)がコンビを組む。発端:漫画界の巨匠が亡くなった後、倉庫から未発表の漫画原稿が発見される。原稿の内容:女性を殺し、その死の瞬間を描こうとするも失敗し、森に埋めるという衝撃的なストーリー。調査の進展:原稿は巨匠の作品ではなく、アシスタント・貝原章彦(平田満)のものと判明。貝原は10年前に死亡したとされていたが、実は生きていた。彼は過去に4人の女性を殺害していた連続殺人犯だった。🧩 真相と登場人物の関係登場人物役割・関係性貝原章彦漫画家。連続殺人犯。未発表作の作者。優希(松下奈緒)調査員。事件の真相を追う主人公。醍醐(古田新太)フリー編集者。優希の相棒。小澤(要潤)巨匠のプロダクション部長。貝原を脅迫し再犯を促すが殺される。少年(後の副編集長)貝原と深い絆を持つ。母親を宗教団体に奪...
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流星の絆

『流星の絆』(東野圭吾・講談社文庫)は、両親を殺された三兄妹が真犯人を突き止める復讐劇と、兄妹の絆を描いた感動ミステリーです。🌠 物語の概要(ネタバレ込み)🔪 両親殺害事件小学生の三兄妹(功一・泰輔・静奈)は、ペルセウス流星群を見るため夜中に外出。帰宅すると、両親(洋食店「アリアケ」経営)が刺殺されていた。現場には見知らぬ傘が残されていたが、指紋は検出されず、捜査は難航。事件は未解決のまま、兄妹は施設へ。功一と泰輔は静奈を守ることを誓う。🎭 詐欺師としての兄妹大人になった三人は、詐欺師として活動。功一が頭脳、泰輔が実行役、静奈が囮役。ある日、静奈がターゲットの洋食店「とがみ亭」で父のハヤシライスと同じ味を発見。その店の御曹司・戸神行成は、事件当時、現場から出てくるのを目撃された人物だった。🕵 真犯人への罠功一は行成を疑い、静奈を使って接近させる。行成は静奈に惹かれ、恋愛関係に発展。功一は、父のレシピと「とがみ亭」の味の一致、事件後に店が急成長した事実から、父のレシピを盗んだ上で殺したのではないかと推理。🧪 DNA鑑定と傘の罠功一は警察に協力し、行成の父・戸神政行のDNAを入手。現場に残...
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容疑者Xの献身

『容疑者Xの献身』(東野圭吾・文春文庫)は、ガリレオシリーズ第3作目にあたる長編ミステリーで、倒叙形式とアリバイ崩しの技巧、そして切ない人間ドラマが融合した傑作です。🧩 登場人物と設定石神哲哉:天才的な数学者だが、現在は高校教師。孤独な生活を送る。花岡靖子:弁当屋で働くシングルマザー。中学生の娘・美里と暮らす。富樫慎二:靖子の元夫。暴力的で金にだらしなく、靖子に執拗に付きまとう。湯川学:物理学者。石神の大学時代の同期で、事件の真相に迫る。草薙俊平:刑事。湯川の友人で捜査を担当。🔪 事件の発端(ネタバレ)富樫が靖子のアパートに押しかけ、暴力を振るおうとしたところ、娘・美里が花瓶で殴る靖子がコードで絞殺隣人の石神が異変に気づき、死体処理を申し出る。石神は靖子と美里を守るため、自ら殺人を犯して死体をすり替える。🧠 石神の完全犯罪計画石神は、富樫に似たホームレスを殺害し、富樫の所持品を持たせて遺体を偽装。富樫の死体は密かに処理され、発見された遺体はホームレスのもの。靖子と美里には「何も話すな」と指示し、鉄壁のアリバイを構築。🔍 湯川の推理と真相湯川は石神の異常な行動に疑念を抱き、独自に調査。遺...
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