名探偵コナン 14番目の標的

映画『名探偵コナン 14番目の標的』(1998年公開)は、劇場版シリーズ第2作目で、毛利小五郎の過去や妃英理との関係に焦点を当てたサスペンス色の強い作品です。


🧩 物語の概要

  • 蘭が母・妃英理が撃たれる夢を見るところから物語が始まる。
  • 英理は過去に実際に撃たれた経験があり、それは毛利小五郎が刑事時代に起きた事件だった。
  • 小五郎はその事件をきっかけに警察を辞め、英理とは別居することになった。

🎯 連続事件の構造

物語の中心は「名前に数字が含まれる人物」が次々と襲われる連続事件。

標的数字の由来被害内容
目暮十三13ボーガンで襲撃
妃英理12(妃=Queen)毒入りチョコレート
阿笠博士11(士=十+一)矢で襲撃
辻弘樹10(辻の中に十)殺害
旭勝義9(旭の中に九)殺害
沢木公平8(公=八)真犯人
小山内奈々7殺害
宍戸永明6(宍=六)襲撃未遂
毛利小五郎5(五郎)標的候補
ピーター・フォード4(フォー)標的候補
白鳥任三郎3(三郎)標的候補
仁科稔2(仁=二)殺害未遂
工藤新一1(一)最終標的?

このように、トランプの数字に見立てて標的が選ばれていきます。


🕵️‍♂️ 犯人と動機

  • 当初、元殺人犯の村上丈が容疑者とされるが、彼は左利きで犯行に使われた道具は右手用。
  • 真犯人はソムリエの沢木公平。彼は自分の名前に数字が含まれていることに気づき、トランプの数字に見立てた連続事件を起こすことで、自分の殺人を村上の仕業に見せかけようとした。
  • 実際に殺したかったのは4人(小山内奈々、旭勝義、辻弘樹、仁科稔)で、他の標的はカモフラージュだった。

💔 毛利小五郎と妃英理の過去

  • 小五郎が刑事時代、村上丈が英理を人質にした事件で、小五郎は発砲して英理を負傷させた。
  • その結果、英理の足には傷が残り、小五郎は警察を辞めることになった。
  • 二人は離婚していないが別居状態にあり、蘭は両親を仲直りさせようと奮闘する。

🌊 クライマックスとラスト

  • 海洋施設「アクアクリスタル」での事件が最終局面。
  • 海中レストランが爆破され、蘭が水中で意識を失ったコナンに人工呼吸をして助ける。
  • これは後の『黒鉄の魚影』で灰原哀がコナンに人工呼吸するシーンの伏線とも言われている。
  • 最後は“眠りの小五郎”が発動し、コナンが真犯人を暴く。

🎬 作品の意義

  • 毛利小五郎の過去が描かれる貴重な回。
  • コナンと蘭の関係にも進展があり、シリーズの人間ドラマとしても重要な位置づけ。
  • サスペンスと人間関係のドラマが融合した完成度の高い劇場版です。